Sculpture by the Sea, Bondi 2018 / Photo: HeapsArt

海にもインスタにも映える野外アート展スカルプチャー・バイ・ザ・シー(シドニー)2018まとめ

シドニーの晩春から初夏を彩る海辺の野外彫刻展「スカルプチャー・バイ・ザ・シー」が、2018年も10月末〜11月初頭にかけて開催されました。オーストラリア国内外の彫刻家が参加し、日本人アーティストの作品も多数展示。第22回目の今年展示された彫刻作品と、アートの「ソーシャルメディア映え」のトレンド、そしてオーストラリア西海岸パースでの2019年のスカルプチャー・バイ・ザ・シー開催概要をまとめて紹介します。

HeapsArt.20180828 OzHarvest Cafe

オズハーベスト、シドニーの期間限定カフェの食品廃棄ゼロだけじゃないコンセプト

2017年にシドニーで飲食店などの余剰食材だけを扱うスーパーマーケットをオープンしたことで話題になったフード・レスキュー団体「オズハーベスト」が、今度はカフェを期間限定で開店しました。このオズハーベスト・カフェは、飲食店や食品卸業者から出た「使えるのに廃棄になる食材」を活用したメニューを提供し、食品廃棄を防ぎながら利益をチャリティーに回すという新たな循環の可能性を提示しています。オズハーベストは具体的にどんな活動をしているのか、カフェではどんな食材が使われているのか、美味しくおしゃれなメニューと共に紹介します。

現代美術家・池田亮司の音と光の巨大インスタレーション「micro | macro」をシドニーで体験

フランス在住の日本人アーティスト池田亮司さんのインスタレーション作品「micro | macro」が、シドニーのキャリッジワークスで展示されました。アート作品を鑑賞するというより、音と光、イメージの洪水に全身を任せるような不思議体験をしてきました。池田亮司さんについて、また今回の展示作品について、そして同時開催中の、フランス人コンセプチュアルアーティストのダニエル・ビュラン展も紹介します。

20180723.HeapsArt_The Sleepers Awake at White Rabbit Gallery_5

SF的ディストピアを映し出す中国現代アート展「The Sleeper Awakes」@ホワイトラビットギャラリー(シドニー)

「表現の自由」への規制が厳しい国や地域では、どんなアーティストがどのような表現活動を展開しているのでしょうか。シドニーのホワイト・ラビット・ギャラリーで8月5日まで開催中の展覧会「The Sleeper Awakes」で、現代社会における検閲や監視、孤立や不安をテーマした中国の現代アート作品が展示中です。古典SF作家H.G.ウェルズのディストピア小説のタイトルを冠し、人気につき会期を延長した同展に行ってきました。

20180712.HeapsArt.Shoplifter

パルムドール受賞作『万引き家族』(是枝裕和監督)のオーストラリアでの評判は?

『誰も知らない』『奇跡』『そして父になる』などの代表作で家族の在り方にスポットライトを当ててきた是枝裕和監督の『万引き家族』が今年、カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞しました。オーストラリアでは同作の一般上映はまだですが、6月のシドニー映画祭で急遽上映され、チケットは見事ソールドアウトに。家族という存在や人と人のつながりを描き非常に見応えのあった『万引き家族』の、あらすじや見どころ、メディアを通じて見たオージーの反応などをまとめました。

Director Ai Weiwei in HUMAN FLOW, an Amazon Studios release. Photo Courtesy of Amazon Studios.

芸術家アイ・ウェイウェイ監督の映画『ヒューマン・フロー』を難民週間のオーストラリアで鑑賞

世界で6,850万人に上るといわれる難民の現実を描いた映画「ヒューマン・フロウ(Human Flow)」は、中国出身の芸術家で自身も政治難民のアイ・ウェイウェイによるドキュメンタリー作品です。紛争や迫害、気候変動など危機的状況の続く故郷から逃れ、辿り着いた先でも多くの困難に苦しむ世界の難民の実情がフィルムに収められています。同作品を、世界難民の日にちなんでオーストラリアで開催された「難民映画祭」で鑑賞した感想と合わせて、世界やオーストラリアの難民の現状についても考えてみました。

'Law of the Journey, 2017' by Ai Weiwei, at 21st Biennale of Sydney (2018). Photo: HeapsArt

アイ・ウェイウェイ「Law of the Journey」ほか − シドニービエンナーレ作品鑑賞記⑥

巨大な漆黒のボートの上には、うつむくように背を向けて並ぶ顔のない人々が。「難民」をテーマにした中国人アーティスト、アイ・ウェイウェイ(Ai Weiwei、艾未未)の大型作品が、オーストラリアのアートイベント「シドニービエンナーレ」の目玉作品の1つとして、コカトゥー島に展示中です。小説家フランツ・カフカや現代思想家ハンナ・アーレントの警句も散りばめられた同作の、「難民の捉え方」に対するメッセージを探ってみました。

'Small Miracles' by Rika Noguchi at 21st Biennale of Sydney (Image taken by HeapsArt)

野口里佳「Small Miracles(小さな奇跡)」ほか − シドニービエンナーレ作品鑑賞記⑤

今年のシドニービエンナーレに参加している5人の日本人アーティストの中で唯一、写真作品を出展しているフォトグラファーの野口里佳(Rika Noguchi)さん。光の反射やゆらめき、影、表面張力、磁力、重力といった自然の力を感じる日常の瞬間を切り取った「小さな奇跡」など、繊細な感覚を柔らかな視線で写した作品がNSW州立美術館に展示中です。

【書籍】シドニー公共フェリーの名称になる国民的絵本作家「メイ・ギブス(May Gibbs)」の作品と生涯

港湾都市シドニーの公共フェリー(シドニーフェリー)に導入された新型船舶の名称が「メイ・ギブス(May Gibbs)」に決定したと2018年1月末、NSW交通局が発表しました。フェリーの名称決定の経緯と併せて、オーストラリアの著名な絵本作家/児童文学作家/イラストレーターであるメイ・ギブスの作品と生涯をみていきます。

White Rabbit Gallery website, page of Ritual Spiritt

中国の現代アート展「Ritual Spirit」@ホワイトラビットギャラリー(シドニー)

たくさんの移民が住む多文化国家のオーストラリアでは、世界各国のアートに触れるチャンスが多くあります。シドニーで中国(系)の現代アートを専門に扱う大型ギャラリーWhite Rabbit Gallery(ホワイトラビットギャラリー)の展覧会「Ritual Spirit」を、写真付きで紹介。

【アート】オーストラリアで現代フィリピン作家の展覧会「Passion and Procession」@NSW州立美術館

1月7日までシドニーのNSW州立美術館(Art Gallery of NSW)で開催されていた、フィリピンの現代アートの展覧会に行ってきました。
ものすごい熱量と、繊細かつプリミティブなパワー溢れる作品の数々。特に印象的だったアートワークなどを紹介します。

【アート】そもそもビエンナーレって? 片岡真実さん他トークイベント

「そもそもビエンナーレとは世界的に見てどういう展覧会なのか?」「出品アーティストはどうやって決められているのか?」などの疑問を専門家が分かりやすく紐解く、というトークイベント「Biennale Archive Stories #3で」に参加してきました。

【音楽】The Temper Trap、11月にオーストラリア凱旋公演!シドニー他

メルボルン出身のオルタナバンド「Temper Trap(テンパートラップ)」の、オーストラリア公演日程が発表されました。今回は、NSW州シドニーと、メルボルンなどVIC州でいくつかのライブが予定されているようです。U2などが好きな人にお薦め。Temper Trapは…