Director Ai Weiwei in HUMAN FLOW, an Amazon Studios release. Photo Courtesy of Amazon Studios.

芸術家アイ・ウェイウェイ監督の映画『ヒューマン・フロー』を難民週間のオーストラリアで鑑賞

世界で6,850万人に上るといわれる難民の現実を描いた映画「ヒューマン・フロウ(Human Flow)」は、中国出身の芸術家で自身も政治難民のアイ・ウェイウェイによるドキュメンタリー作品です。紛争や迫害、気候変動など危機的状況の続く故郷から逃れ、辿り着いた先でも多くの困難に苦しむ世界の難民の実情がフィルムに収められています。同作品を、世界難民の日にちなんでオーストラリアで開催された「難民映画祭」で鑑賞した感想と合わせて、世界やオーストラリアの難民の現状についても考えてみました。

2020年シドニービエンナーレ芸術監督はブルック・アンドリュー、初の先住民族ゆかりのアーティスト

2020年に開催予定の第22回シドニービエンナーレの芸術監督に、オーストラリア先住民族ウィラドゥリのアーティスト、ブルック・アンドリューが決定しました。先住民につながりのある芸術監督が就任するのは、シドニービエンナーレ史上初めてのことです。2年後のビエンナーレに向け注目が集まるブルック・アンドリューのこれまでの現代アート作家としての活動や、ウィラドゥリ・ネーションについてまとめました。

'Law of the Journey, 2017' by Ai Weiwei, at 21st Biennale of Sydney (2018). Photo: HeapsArt

アイ・ウェイウェイ「Law of the Journey」ほか − シドニービエンナーレ作品鑑賞記⑥

巨大な漆黒のボートの上には、うつむくように背を向けて並ぶ顔のない人々が。「難民」をテーマにした中国人アーティスト、アイ・ウェイウェイ(Ai Weiwei、艾未未)の大型作品が、オーストラリアのアートイベント「シドニービエンナーレ」の目玉作品の1つとして、コカトゥー島に展示中です。小説家フランツ・カフカや現代思想家ハンナ・アーレントの警句も散りばめられた同作の、「難民の捉え方」に対するメッセージを探ってみました。