シドニーの晩春から初夏を彩る海辺の野外彫刻展「スカルプチャー・バイ・ザ・シー」が、2018年も10月末〜11月初頭にかけて開催されました。オーストラリア国内外の彫刻家が参加し、日本人アーティストの作品も多数展示。第22回目の今年展示された彫刻作品と、アートの「ソーシャルメディア映え」のトレンド、そしてオーストラリア西海岸パースでの2019年のスカルプチャー・バイ・ザ・シー開催概要をまとめて紹介します。
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「オーストラリア先住民のアート」なのに海外産? 本物vs偽物をめぐる倫理と規範
有名なオーストラリア土産の1つとして、先住民族(アボリジニー)の工芸品や伝統の模様を用いた製品があります。こうした「先住民アート」に似せて作られた海外産の模倣品(偽物)が問題化していることをご存知でしょうか。インドネシア産でもオーストラリア産と表示できてしまう法律、それを知りながら取り扱う土産物店、何も知らずに購入する旅行者……。シドニーで開催された、オーストラリア先住民のアートを取り巻く業界の歪みを考えるトークイベントの様子や、先住民アート・コードという倫理規範、今年行われた偽物のお土産品の卸売業者の取り締まりなどについてお伝えします。
現代美術家・池田亮司の音と光の巨大インスタレーション「micro | macro」をシドニーで体験
フランス在住の日本人アーティスト池田亮司さんのインスタレーション作品「micro | macro」が、シドニーのキャリッジワークスで展示されました。アート作品を鑑賞するというより、音と光、イメージの洪水に全身を任せるような不思議体験をしてきました。池田亮司さんについて、また今回の展示作品について、そして同時開催中の、フランス人コンセプチュアルアーティストのダニエル・ビュラン展も紹介します。
SF的ディストピアを映し出す中国現代アート展「The Sleeper Awakes」@ホワイトラビットギャラリー(シドニー)
「表現の自由」への規制が厳しい国や地域では、どんなアーティストがどのような表現活動を展開しているのでしょうか。シドニーのホワイト・ラビット・ギャラリーで8月5日まで開催中の展覧会「The Sleeper Awakes」で、現代社会における検閲や監視、孤立や不安をテーマした中国の現代アート作品が展示中です。古典SF作家H.G.ウェルズのディストピア小説のタイトルを冠し、人気につき会期を延長した同展に行ってきました。
アイ・ウェイウェイ「Law of the Journey」ほか − シドニービエンナーレ作品鑑賞記⑥
巨大な漆黒のボートの上には、うつむくように背を向けて並ぶ顔のない人々が。「難民」をテーマにした中国人アーティスト、アイ・ウェイウェイ(Ai Weiwei、艾未未)の大型作品が、オーストラリアのアートイベント「シドニービエンナーレ」の目玉作品の1つとして、コカトゥー島に展示中です。小説家フランツ・カフカや現代思想家ハンナ・アーレントの警句も散りばめられた同作の、「難民の捉え方」に対するメッセージを探ってみました。
野外彫刻展「ヒルビュー(Hillview)」で体験するアートとオーストラリアの自然
オーストラリアの美しい自然の中でアート作品を鑑賞できる野外彫刻展「ヒルビュー(Hillview Sculpture Biennal 2018)」が、NSW州南部のサットンフォレスト(Sutton Forest)で5月27日まで開催中です。ローカルのほか日本人を含む海外出身の現代アーティストの作品が、丘陵地帯の自然と一体になった状態で楽しめます。紅葉の美しいオーストラリアの高原エリアでの秋のアート体験をまとめました。
流井幸治「Jamais vu(ジャメヴュ、未視感)」− シドニービエンナーレ作品鑑賞記③
「Jamais vu, 2018」(ジャメヴュ、未視感)と題した、床一面に並べられた無数のガラス器と、不思議な残響の調べが織りなすサウンドスケープ。京都出身、シドニー在住の日本人アーティスト流井幸治(Ryui Koji)さんによる同作品は、オーストラリアの現代アート展「シドニービエンナーレ」の会場に展示中です。目だけでなく耳や肌で感じる「美」や「違和感」の体験をまとめました。
中国の現代アート展「Ritual Spirit」@ホワイトラビットギャラリー(シドニー)
たくさんの移民が住む多文化国家のオーストラリアでは、世界各国のアートに触れるチャンスが多くあります。シドニーで中国(系)の現代アートを専門に扱う大型ギャラリーWhite Rabbit Gallery(ホワイトラビットギャラリー)の展覧会「Ritual Spirit」を、写真付きで紹介。
【アート】そもそもビエンナーレって? 片岡真実さん他トークイベント
「そもそもビエンナーレとは世界的に見てどういう展覧会なのか?」「出品アーティストはどうやって決められているのか?」などの疑問を専門家が分かりやすく紐解く、というトークイベント「Biennale Archive Stories #3で」に参加してきました。
来年のビエンナーレ・オブ・シドニー開催前にトークイベント「BIENNALE ARCHIVE STORIES #3」
2年に一度開かれる、大掛かりなアート展ビ … 続き
