シドニーの注目ミューラルアート(壁画)、「エッグボーイ」など3選

建物などの壁に描かれたミューラル(壁画)とグラフィティー(落書き)の定義の違いは何でしょうか。ニュージーランドで3月に起きたモスク銃乱射事件後に創られた「エッグボーイ」や、オーストラリア先住民の歴史と現在に焦点を当てた作品など、シドニーの3つのミューラルアートに注目し、そのコンセプトを考えてみました。

Sculpture by the Sea, Bondi 2018 / Photo: HeapsArt

海にもインスタにも映える野外アート展スカルプチャー・バイ・ザ・シー(シドニー)2018まとめ

シドニーの晩春から初夏を彩る海辺の野外彫刻展「スカルプチャー・バイ・ザ・シー」が、2018年も10月末〜11月初頭にかけて開催されました。オーストラリア国内外の彫刻家が参加し、日本人アーティストの作品も多数展示。第22回目の今年展示された彫刻作品と、アートの「ソーシャルメディア映え」のトレンド、そしてオーストラリア西海岸パースでの2019年のスカルプチャー・バイ・ザ・シー開催概要をまとめて紹介します。

現代美術家・池田亮司の音と光の巨大インスタレーション「micro | macro」をシドニーで体験

フランス在住の日本人アーティスト池田亮司さんのインスタレーション作品「micro | macro」が、シドニーのキャリッジワークスで展示されました。アート作品を鑑賞するというより、音と光、イメージの洪水に全身を任せるような不思議体験をしてきました。池田亮司さんについて、また今回の展示作品について、そして同時開催中の、フランス人コンセプチュアルアーティストのダニエル・ビュラン展も紹介します。

20180723.HeapsArt_The Sleepers Awake at White Rabbit Gallery_5

SF的ディストピアを映し出す中国現代アート展「The Sleeper Awakes」@ホワイトラビットギャラリー(シドニー)

「表現の自由」への規制が厳しい国や地域では、どんなアーティストがどのような表現活動を展開しているのでしょうか。シドニーのホワイト・ラビット・ギャラリーで8月5日まで開催中の展覧会「The Sleeper Awakes」で、現代社会における検閲や監視、孤立や不安をテーマした中国の現代アート作品が展示中です。古典SF作家H.G.ウェルズのディストピア小説のタイトルを冠し、人気につき会期を延長した同展に行ってきました。

Director Ai Weiwei in HUMAN FLOW, an Amazon Studios release. Photo Courtesy of Amazon Studios.

芸術家アイ・ウェイウェイ監督の映画『ヒューマン・フロー』を難民週間のオーストラリアで鑑賞

世界で6,850万人に上るといわれる難民の現実を描いた映画「ヒューマン・フロウ(Human Flow)」は、中国出身の芸術家で自身も政治難民のアイ・ウェイウェイによるドキュメンタリー作品です。紛争や迫害、気候変動など危機的状況の続く故郷から逃れ、辿り着いた先でも多くの困難に苦しむ世界の難民の実情がフィルムに収められています。同作品を、世界難民の日にちなんでオーストラリアで開催された「難民映画祭」で鑑賞した感想と合わせて、世界やオーストラリアの難民の現状についても考えてみました。

2020年シドニービエンナーレ芸術監督はブルック・アンドリュー、初の先住民族ゆかりのアーティスト

2020年に開催予定の第22回シドニービエンナーレの芸術監督に、オーストラリア先住民族ウィラドゥリのアーティスト、ブルック・アンドリューが決定しました。先住民につながりのある芸術監督が就任するのは、シドニービエンナーレ史上初めてのことです。2年後のビエンナーレに向け注目が集まるブルック・アンドリューのこれまでの現代アート作家としての活動や、ウィラドゥリ・ネーションについてまとめました。

'Law of the Journey, 2017' by Ai Weiwei, at 21st Biennale of Sydney (2018). Photo: HeapsArt

アイ・ウェイウェイ「Law of the Journey」ほか − シドニービエンナーレ作品鑑賞記⑥

巨大な漆黒のボートの上には、うつむくように背を向けて並ぶ顔のない人々が。「難民」をテーマにした中国人アーティスト、アイ・ウェイウェイ(Ai Weiwei、艾未未)の大型作品が、オーストラリアのアートイベント「シドニービエンナーレ」の目玉作品の1つとして、コカトゥー島に展示中です。小説家フランツ・カフカや現代思想家ハンナ・アーレントの警句も散りばめられた同作の、「難民の捉え方」に対するメッセージを探ってみました。

'Small Miracles' by Rika Noguchi at 21st Biennale of Sydney (Image taken by HeapsArt)

野口里佳「Small Miracles(小さな奇跡)」ほか − シドニービエンナーレ作品鑑賞記⑤

今年のシドニービエンナーレに参加している5人の日本人アーティストの中で唯一、写真作品を出展しているフォトグラファーの野口里佳(Rika Noguchi)さん。光の反射やゆらめき、影、表面張力、磁力、重力といった自然の力を感じる日常の瞬間を切り取った「小さな奇跡」など、繊細な感覚を柔らかな視線で写した作品がNSW州立美術館に展示中です。

Hillview Sculpture Biennial 2018. Photo by HeapsArt

野外彫刻展「ヒルビュー(Hillview)」で体験するアートとオーストラリアの自然

オーストラリアの美しい自然の中でアート作品を鑑賞できる野外彫刻展「ヒルビュー(Hillview Sculpture Biennal 2018)」が、NSW州南部のサットンフォレスト(Sutton Forest)で5月27日まで開催中です。ローカルのほか日本人を含む海外出身の現代アーティストの作品が、丘陵地帯の自然と一体になった状態で楽しめます。紅葉の美しいオーストラリアの高原エリアでの秋のアート体験をまとめました。

柳幸典「イカロス・コンテナ」(2018年)@シドニービエンナーレ Icarus Container, 2018 by Yukinori Yanagi at 21st Biennale of Sydney. Photo: HeapsArt

柳幸典「Icarus Container」ほか − シドニービエンナーレ作品鑑賞記④

産業や技術の発展に対し静かに力強い目線を向ける、現代アーティスト柳幸典(Yukinori Yanagi)さんのインスタレーション作品3点がシドニービエンナーレで展示中です。作品は、核実験や原子力爆弾といった近現代を象徴するテクノロジーにスポットを当てています。ビエンナーレ展示会場のコカトゥー島にぴったりの同作の鑑賞体験を、写真を交えてお伝えします。

'Jamais vu' by Koji Ryui, at 21st Biennale of Sydney

流井幸治「Jamais vu(ジャメヴュ、未視感)」− シドニービエンナーレ作品鑑賞記③

「Jamais vu, 2018」(ジャメヴュ、未視感)と題した、床一面に並べられた無数のガラス器と、不思議な残響の調べが織りなすサウンドスケープ。京都出身、シドニー在住の日本人アーティスト流井幸治(Ryui Koji)さんによる同作品は、オーストラリアの現代アート展「シドニービエンナーレ」の会場に展示中です。目だけでなく耳や肌で感じる「美」や「違和感」の体験をまとめました。

Life of the hunter by Ami Inoue at Biennale of Sydney (2018) Photo. HeapsArt 1

井上亜美「The Life of the Hunter(猟師の生活)」− シドニービエンナーレ作品鑑賞記②

猟師の祖父、命を食べるということ、東日本大震災後の放射線物質の影響など、現代の狩猟を通して「生と死」を映し出した、井上亜美さんの映像作品「猟師の生活(2018)」のレビューと感想です。井上さんはアーティストで猟師(!)だそうです。

20180325 HeapsArt - Our Songs - Sydney Kabuki Project by Akira Takayama

高山明「Our Songs – Sydney Kabuki Project」− シドニービエンナーレ作品鑑賞記①

シドニービエンナーレで、日本人アーティスト高山明さんのビデオ・インスタレーション作品が展示中です。高山さんの作品は、多民族・多文化国家のオーストラリアで世界各国の出身者による伝統の歌や詩のパフォーマンスを映像に収めたもの。一般公募で集まったという出演者がどんなステージを展開し、それがどのような作品になったのか、そしてオーストラリアの鑑賞者はそれをどのように観たのか、実際に訪れた展示会場の空気から感じたことをまとめました。

screenshot of the 21st Biennale of Sydney's website

【アート】第21回ビエンナーレ・オブ・シドニー – ディレクター片岡真実、注目作家アイ・ウェイウェイ

2年に1度の現代アートの大型展「ビエンナーレ・オブ・シドニー」が今年も約3カ月にわたり開催されます(3月16日〜6月11日)。第21回目の今年は日本人キュレーターの片岡真実さんを芸術監督に迎え、35の国と地域のアーティスト70組の作品がシドニー市内7カ所で展示されます。観賞は全て無料です。今回の開催テーマや、目玉となる芸術家アイ・ウェイウェイなど、見どころとなるポイントをご紹介します。

ビエンナーレ・オブ・シドニーの公式サイト

【アート】シドニー・ビエンナーレの高山明プロジェクト@タウンホールに歌・詩で誰でも参加!歌舞伎の要素あり?

2年に1回開催される、大型現代アート展「ビエンナーレ・オブ・シドニー(Biennale of Sydney)」。21回目となる今年のビエンナーレに参加する日本人アーティスト高山明さんが、作品にさまざまな言語の「歌」や「詩」で参加する一般の人を募集しているようです。そのプロジェクトとはどんなものなのでしょうか?

White Rabbit Gallery website, page of Ritual Spiritt

中国の現代アート展「Ritual Spirit」@ホワイトラビットギャラリー(シドニー)

たくさんの移民が住む多文化国家のオーストラリアでは、世界各国のアートに触れるチャンスが多くあります。シドニーで中国(系)の現代アートを専門に扱う大型ギャラリーWhite Rabbit Gallery(ホワイトラビットギャラリー)の展覧会「Ritual Spirit」を、写真付きで紹介。