オーストラリア近海にある世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフは、地球温暖化や公害などの影響で死滅の危機に瀕しています。グレートバリアリーフを保護する動きも活発化している一方、オーストラリア政府からの4億4,330万豪ドル(約364億円)もの巨額の助成金を受け取った保護基金「グレートバリアリーフ・ファウンデーション」は大企業幹部や政治家の関与が明らかになり、助成金の不正受給の疑いが報道されています。ユネスコの世界遺産でありながら「危機遺産」の指定の可能性もあるグレートバリアリーフの現状と、環境保護をめぐる動きについてまとめました。
月: 2018年9月
「オーストラリア先住民のアート」なのに海外産? 本物vs偽物をめぐる倫理と規範
有名なオーストラリア土産の1つとして、先住民族(アボリジニー)の工芸品や伝統の模様を用いた製品があります。こうした「先住民アート」に似せて作られた海外産の模倣品(偽物)が問題化していることをご存知でしょうか。インドネシア産でもオーストラリア産と表示できてしまう法律、それを知りながら取り扱う土産物店、何も知らずに購入する旅行者……。シドニーで開催された、オーストラリア先住民のアートを取り巻く業界の歪みを考えるトークイベントの様子や、先住民アート・コードという倫理規範、今年行われた偽物のお土産品の卸売業者の取り締まりなどについてお伝えします。
