【アート】シドニー・ビエンナーレの高山明プロジェクト@タウンホールに歌・詩で誰でも参加!歌舞伎の要素あり?

ビエンナーレ・オブ・シドニーの公式サイト

2年に1回開催される、大型現代アート展「ビエンナーレ・オブ・シドニー(Biennale of Sydney)」。21回目となる今年のビエンナーレに参加する日本人アーティスト高山明さんが、作品にさまざまな言語の「歌」や「詩」で参加する一般の人を募集しているようです。そのプロジェクトとはどんなものなのでしょうか?プロジェクトに参加したい人は、以下のサイトから事前連絡を。1/28にシドニー・タウンホールで収録を行うようです。

どんなプロジェクト?

ビエンナーレ・オブ・シドニーの募集ページによると、祖先や家族から受け継いできた歌または詩(言語問わず)をパフォーマンスする人の参加を求むとしています。オーディションやリハーサルはなく、パフォーマンスできる人なら誰でも参加可能とのこと。パフォーマンスをフィルムなどに収めて作品として発表することで、このプロジェクトの主宰者である高山明さんは、シドニー市民、またはシドニーで暮らす人の物語を知り、それが世代や場所を超えて広まることを考えているそうです。

ビエンナーレ・オブ・シドニーの公式サイト
ビエンナーレ公式サイトの参加者募集告知

上のサイト内のリンク先のPDFに、もう少し詳しいコンセプトの説明がありましたが、このプロジェクトは歌舞伎の要素を取り入れたた内容になるそうです。歌舞伎は、約400年の歴史を持つ日本の伝統芸能で、ユネスコによって「人類の口承及び無形遺産に関する傑作」の宣言をされています。

高山明さんの今回のプロジェクトも、歌や詩という口承伝としての文化を取り上げるもの。現代のシドニーは世界中からの移民が集まってできている街ですし、オーストラリアがそもそも原住民と移民でできている国なので、想像もしえないバラエティーに富んだ歌や詩が出てきそうです。なお、歌舞伎になぞらえてステージには花道を設置する予定なのだとか。

以下は高山明さんのツイート。

《高山明 / Akira Takayama on Twitter》
https://twitter.com/akirat16/status/955493141112434688

ビエンナーレのウェブサイトにはまだ現時点では出ていませんが、プロジェクトのタイトルは「Our Songs – Sydney Kabuki Project」なんですね。カブキ、は日本人以外にも発音しやすく、知っている人もいる言葉なので覚えやすそうです。

今年のビエンナーレ開催日は?

なお、今年のビエンナーレ・オブ・シドニーのテーマは「SUPERPOSITION: Equilibrium and Engagement」。このイベントの総合ディレクターは日本人の片岡真実さんで、アジア人初の総合ディレクターという意味でも注目が高まっています。今年は3月16日〜6月11日に、シドニー各所を会場に開催される予定です。初めて体験した一昨年のビエンナーレは、取材で事前に全会場を回ったのちにプライベートでも再び行くほど刺激的で面白かったので今年も楽しみです。

一昨年、2016年(第20回)のビエンナーレは、日本人アーティストは塩田千春さん、中村裕太さん、篠田太郎さんが参加した他、原発問題を扱ったプロジェクトDon’t Follow the Wind(Chim↑Pom他)もサテライト展示を行い、Chim↑Pomの卯城竜太さんとエリィさん、それからキュレーターの窪田研二さんも来豪していました。

今年もビエンナーレの参加アーティストはもうかなりウェブサイト上で発表されていますが、例年、段階的に少しずつ明らかにするようなので、これからまだ追加発表もあるかもしれません。アイウェイウェイも参加するので、どんな作品か楽しみ。